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『肺/呼吸器系』に関する論文

『水素水は急性肺障害を軽減』

〔学術雑誌名〕J. Biomed. Biotechnol. 2011:305086. Epub 2011 Jan 24
〔表題〕Consumption of hydrogen water reduces paraquat-induced acute lung injuly in rats(水素水投与によりパラコートで誘発されるラットの急性肺障害が軽減される)
〔著者〕S. Liu et al(上海第2軍事大学)
〔概要〕除草剤のパラコートはその副作用として活性酸素、とりわけヒドロキシラジカル(OH・)、及び過酸化亜硝酸(ONOO−)を産生する事が知られている。また、分子状水素(H2)は活性酸素による酸化ストレスを抑制する事が多々報告されており、本報ではパラコート処理によって発症するラットの急性肺障害に対する水素水の作用を検討した。胸膜浸出液の分析、肺重量の測定、細胞数、たんぱく量、LDHなどの酵素活性の測定、HE染色による病理所見、DNA染色によるアポトーシスの解析、マロンジアルデヒド等の酸化ストレス産物の測定等々の評価により通常水と水素水投与の比較を行った。その結果、水素水投与により急性肺障害が軽減され、水素水の作用はパラコートによって発生する活性酸素によるダメージを抑制する事によることが示唆された。

『ラットの肺移植においてドナーに前もって水素投与すると移植肺の機能が改善』

〔学術雑誌名〕Surgery,2011 Aug; 150(2):240-9
〔表題〕The effect of donor treatment with hydrogen on lung allograft function in rats(ラット肺移植においてドナーに前もって水素を与えると移植肺の機能が改善される)
〔著者〕Kawamura T. et al(ピーツバーグ大)
〔概要〕水素ガス吸入は急性肺傷害に対して抗炎症作用及び抗アポトーシス作用を示すことが知られている。本研究ではラットの肺移植において臓器のドナー側に事前に水素吸入させることにより移植後の移植臓器片の傷害が軽減されるか否か検討した。
〔方法〕同系異種ラットを用いて左肺の同所移植を行った。ドナーラットに肺摘出前に98%酸素+2%窒素または水素ガスを機械的に換気した後に冷温保存した後水素ガスの効果を窒素ガスと比較検討した。移植片の機能は組織形態学的変化及び炎症反応で調べた。
〔結果〕酸素/窒素=98/2+冷却保存した場合炎症性サイトカインやアポト−シス促進分子の上昇を伴って移植片の顕著な劣化が観察された。このような肺傷害は窒素を水素ガスに置き換えることにより有意に改善された。水素吸入により移植前肺において抗酸化酵素であるoxygenase-1が誘導されており、水素により移植肺の機能が保護されたと推察された。
〔結論〕ラットの移植肺の摘出前にドナーに水素ガスを吸入処置することにより移植後の移植肺が虚血再環流による肺傷害から効果的に防御されることが明らかになった。

『水素ガス吸入により肺移植で誘導される虚血・再還流障害を予防』

〔学術雑誌名〕Transplantation,2010 DOI:10.97/TP.0b013e3181fe1357
〔表題〕Inhaled Hydrogen Gas Therapy for Prevention of Lung Transplant-induced Ischemia/Reperfusion Injury in Rats.(水素ガス吸入によりラットにおける肺移植で誘導される虚血/再還流障害が防止される)
〔著者〕T.Kawamura and A.Nakao et al(大阪大学胸部外科、ピッツバーグ大学心臓外科他)
〔概要〕ルイス系ラットの左肺を同種ラットに移植して生ずる虚血/再還流傷害は活性酸素や血管内皮細胞のアポトーシスによって誘導される。肺移植後の通気を水素ガス2%含むガスに切り替える事により短期及び長期にわたって移殖組織障害が軽減される。同時に諸種の炎症性因子が減少し内皮細胞のアポトーシスによる細胞死も有意に抑制された。水素ガス吸入により移殖肺臓器の機能は保持され水素ガスがラットの肺移植治療に有効利用できることが明らかになった。

『水素吸入により人工呼吸器による肺障害が軽減』

〔学術雑誌名〕Critical Care, (2011) in press
〔表題〕Hydrogen Inhalation Ameliorates Ventilator-induced Lung Injury.(水素吸入により人工呼吸器によって生じる肺障害が軽減される)
〔著者〕C. S. Huang, A.. Nakao. S. Lee, Z. Wang N.. Shigemura, T. R. Billar, and Y. Toyoda (米国ピッツバーグ大学外科部門心臓・肺・食道外科研究所)
〔概要〕機械的な肺換気により遠位気道や肺細胞に炎症反応や酸化ストレスを誘発し、人工呼吸 器誘発性の肺障害(VILI)が起こり、更には全身性の炎症、気道細胞死、ついには多臓器不全を招くことが知られている。マウスに3時間人工呼吸を行い、 生じたVILIに対して気管支肺胞洗浄を行い好中球浸潤、炎症サイトカインの遺伝子レベルの解析等の肺・気道機能の変化を分析した。人工換気によって増悪 した炎症性諸因子の変化は水素ガス吸入処置によって有意に改善された。水素吸入療法は臨床的に有用性が高いことを強く示唆した。

『水素溶解食塩水がラットの腸虚血再潅流における肺損傷を防止』

〔学術雑誌名〕Biochem. And Biophys. Res. Comm. (2009), doi: 10.1016/bbrc.2009.02.105, in press
〔表題〕Hydrogen-rich saline reduces lung injury induced by intestinal ischemia/reperfusion in rats.
〔著者〕Mao YF, Zheng XF, Cai JM, You XM, Deng XM, Zhang JH, Jiang L, Sun XJ.(上海交通大学医学部シンホワ病院外来集中治療ユニット科、中国)
〔概要〕水素が活性酸素群の中で最も細胞毒性の強いヒドロキシルラジカルを選択的に減少させるという報告がある。本研究では、水素溶解生理食塩水のラットの腸虚血再潅流によって引き起こされる肺損傷に対する効果を検討した。
〔方法〕雄のSDラット 30匹(200-220g)を無差別に3つの実験群に振り分けた。
(1)偽手術、(2)腸虚血再潅流プラス食塩水(5mg/kg, ιυ.)、(3)腸虚血再潅流プラス水素溶解食塩水(5mg/kg, ιυ.)。腸虚血再潅流は、90分の腸虚血後、4時間後の再潅流によって行った。
〔結果〕(2)群の生理食塩水投与に比べ、(3)水素溶解食塩水群によって処置では、肺組織の好中球浸潤、脂質膜過酸化、NF-κ-B活性化、及び炎症性サイトカインのIL-1β、TNF-αが減少した。
〔結論〕水素溶解食塩水は、腸虚血再潅流によって起こる肺損傷を軽減した。

『水素豊富生理食塩水は酸素過剰によって生じる急性肺傷害を軽減』

〔学術雑誌名〕J. of Surg. Res., 165, e43-e49(2011)
〔表題〕hydrogen-rich saline provides protection against hyperoxic lung injury(水素豊富食塩水は酸素過剰による肺傷害を防護する)
〔著者〕Q. Sun et al (上海第2軍事大、上海病院)
〔概要〕分子状水素は選択的な新規抗酸化物質として注目されている。本報ではラットを用いて過剰酸素症(HALI)(酸素負荷10ml/kg)によって発症する肺傷害に対する水素豊富生理食塩水の腹腔内投与の効果を検討した。対照として窒素豊富生理食塩水を用い、評価は胸膜浸出液量、湿/乾燥重量比及び組織分析によった。また、肺細胞のアポトシス(細胞自殺死)測定はTUNEL法により、肺組織の炎症性サイトカインはIL-1bおよびTNF-αを測定した。その結果、水素豊富水生理食塩水投与により脂質及びDNAの酸化並びに組織浮腫が防御され、さらにアポトシス及び炎症反応が対象の窒素豊富水に比べて明らかに軽減した。これらの結果から、水素豊富生理食塩水投与により酸化ストレスを抑制する事によりラットのHALIによって発症する急性肺傷害ならびに肺組織の炎症反応連鎖を軽減する事が明らかになった。

『水素豊富生理食塩水はラットの熱傷モデルにおいて急性肺傷害を軽減』

〔学術雑誌名〕J. Burn. Care Res, 2011 May-Jun ;32(3): e82-91
〔表題〕hydrogen-rich saline protects against acute lung injury induced by extensive burn in rat model.(水素豊富食塩水はラットモデルにおいて広範囲の熱傷によって生じる急性肺障害を防ぐ)
〔著者〕Fang Y.et al(上海交通大)
〔概要〕分子水素は選択的な新規抗酸化物質として、とりわけヒドロキシラディカルを消去し、多くの疾患モデルにおいて有効な作用が報告されている。本報ではラットの熱傷モデルで発症する肺障害に対する水素豊富水投与の効果を検討した。対象として偽手術+正常生理食塩水群、熱傷+正常食塩水群負荷、熱傷+治療薬edaravone9mg/kg群を設定し、水素豊富水投与群(5ml/kg)と比較した。各群とも熱傷処置6時間後に乳酸リンゲル液投与を行い、12時間後に肺サンプルを採取した。蘇生処置が遅れると肺浮腫と酸素供給の減少が生じた。水素豊富水群とedaravone群では有意な改善が認められ、肺の活性酸素による産物の生成も減少した。熱傷に伴う肺の酸化ストレスによる炎症は水素豊富食塩水の投与によって画期的に軽減されることがわかった。










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